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日常生活自立支援事業の利用(前編)

社福×ケアマネの仕事

みなさん、こんばんわ。

現役ケアマネの「かつみ」です。

今日は、日常生活自立支援事業の利用について、現行のケースで内容を紹介します。
まず、日常生活自立支援事業ですが、社会福祉士の試験勉強のおさらいから。
この「日常生活自立支援事業」ですが、介護保険制度の創設と同じ時期に、地域福祉権利擁護事業として開始され、2007年に名称が変わりました

認知症の高齢者や、知的障害者、精神障害者等のうち、判断能力が不十分な利用者が、地域において自立した生活が送れる様に、利用者との契約にもとづいて支援する事業です。
その業務としては、①祉サービスの利用援助、②苦情解決制度の利用援助、③住宅改修、居住家屋の賃借、④日常生活上の消費契約及び住民票の届け出、⑤預金の預け入れや払い戻し等を含めた生活費の管理、⑥定期訪問による生活変化の察知など。

今回の利用者の状況は、
70歳(女性)夫と離婚後、1人暮らし。生活保護受給者。息子1人、娘1人。
息子と疎遠で、娘は同市内に別居しているが、クモ膜下出血による高次脳機能障害に罹患、短期記憶がほぼゼロで、小学校4年の子どもがいます。
本人は、軽度認知症、下肢筋力低下、重度2型糖尿病に罹患し、毎日速効性のインスリン注射を自己で行い、週1回クリニックにてトルリシティというホルモン注射を行っています。それでも血糖値は200、HbA1cは12程あり、コントロール不良が問題です。通院には介護タクシーを利用し、要介護2の認定を受けております。
趣味はパチンコで、保護費まで使い果たし、障害者の娘のお金にまで手を付ける事も多々あります。障害の娘には、既に日常生活自立支援事業を利用され、金銭管理は支援員が行っています。

私がケアマネとしてかかわったのが、2024年の1月、地域包括支援センターからの依頼で、困難ケースとして引継ぎしました。その時点では、年末に1ヶ月入院していた病院を脱走し、強制退院をさせられたすぐ後で、自宅はゴミ屋敷、筋力低下で動くことが出来ず、失禁したオムツで生活している為、居室内はすごい尿臭が鼻をつく様な、悪環境で生活しておられました。

話しがズレましたが、今回の「日常生活自立支援事業」の利用目的は、日常的な金銭管理と、郵便物や生活費の支払い管理を依頼しました。事業の実施主体は都道府県の社会福祉協議会で、窓口は市町村の社会福祉協議会です。今回はインターネットで申し込みを行いました。

この事業の担当は、社会福祉協議会に配属されている相談員(社会福祉士等)と、現行業務を行う支援員とがあります。今回の依頼後、相談員から連絡が入り、一緒に利用者宅へ訪問する事になりました。この事業、利用者との契約が必須になるので、ケアマネが頼んでも本人が了承しなければ、利用できません。この方も「何故お金の管理をしてもらわないといけないのか?」と疑問を持ち、何度も何度も説明しても納得されず、契約締結にまではかなりのハードルがある事を感じました。

最初に社協の相談員と同行訪問して説明し、次回は、相談員が一人で訪問。その際に利用を拒んだ為、事業利用が滞ってしまいました。その後、ケアマネ側から催促して、再度、本人の意思を確認すべく、相談員さんとの同行訪問2回目に立ち合いました。これこそパターナリズムになりますが、本人の意見を尊重せず、支援者が本人の為にと、本人に代わって判断を行う、まさにその一例です。ただ、このまま本人の意思に任せていると、今後の生活が行き詰ってしまう、健康被害が予想できる、その様な事例で、支援者の悩みどころです。

今回は、ここまでになりますが、最後の相談員との同行時に、本人を丸め込み契約の方向で話を進めております。この行動は正しいのか、それとも行き過ぎた支援でしょうか・・・
日々、利用者の支援を決める際に、本人の自己決定や自己実現をどこまで支援できるのか・・・
毎回、手探りで支援を行っている様に思います。

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