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オペラント条件づけ《必勝理解》

受験に役立つ勉強

オペラント条件づけ この《式》だけ!

最初からズバッと行きます!頭を真っ白な状態にして、下の図を見て下さい。

実は、オペラント条件づけは(+)と(-)の簡単なかけ算の式で説明できます。
「強化子」×「刺激」=「頻度」
「かけ算の式」とは下の4式です。
(+)×(+)=(+)
(+)×(-)=(-)
(-)×(+)=(-)
(-)×(-)=(+)

オペラント条件づけにおいてもこの4つの、かけ算の式が成立します。

「強化子」×「刺激」=「頻度」

1「強化子」が正(+) ×「刺激」が正(+) = かけると「頻度」も正(+)になります。

2「強化子」が正(+) ×「刺激」が負(-) = かけると「頻度」は負(-)です。

3「強化子」(-)× 「刺激」(+)=「頻度」(-)

4「強化子」(-)× 「刺激」(-)=「頻度」(+)

この4パターンしか存在しません

ですので、例えば、
負(-) × 正(+)
このパターンは、かけ算上では成立せず、オペラント条件づけでも成立しません。

また、負(-) × 負(-) 
このパターンも現実的には存在しません。

基本4パターンの解説

では、オペラント条件づけのパターンを確認してみます。

①「好子」×「出現」=「強化」
  (+) × (+)(+)
「好子」の「出現」=「正の強化」

②「好子」×「消失」=「弱化」
  (+) × (-)
「好子」の「消失」=「負の弱化(罰)」

③「嫌子」×「出現」=「弱化」
  × (+)(-)
「嫌子」の「出現」=「正の弱化(罰)」

④「嫌子」×「消失」=「強化」
  × (-)(+)
「嫌子」の「消失」=「負の強化」

「好子」と「嫌子」

オペラント条件づけで重要な役割を果たすのが、快や不快をもたらす刺激(物など)です。この刺激をどう使うかによって、その後の行動が左右されます。ここで、再度、確認してみましょう。

例)子どもが演技を褒められる事で、更に頑張って良い演技をする様になる

この時「演技を褒められる」という刺激によって、その後、子どもは「演技を頑張る」というプラスの結果がでます。

この刺激の事を「好子」や「嫌子」と言い、「快の刺激」を「好子」「不快の刺激」を「嫌子」として、その後の行動の制御に使い分けされます。

「好子」の例 
褒める、良い事、快楽、痩せる、免許がある、ゲーム機、お金、小遣い、好きな物、餌、好きな食べ物・・・etc 

「嫌子」の例
叱る、悪い事、痛み、太る、臭い、怒る、警報音、嫌な思い、病気になる、怖い、馬鹿にされた・・・etc

この時、注意しないといけないのは、刺激は「正しい」とか「ネガティブ」とかの語意によるものではなく、その刺激自体が「プラス(+)」に働くのか?「マイナス(ー)」に働くのか?で「正」「負」に分かれます。

また、叱られる=「叱る」×「加える」、褒められる=「褒める」×「加える」などは、既に刺激が付加された強化子となっているので、分かり難い事があるかもしれません。

問題文にチャレンジ

では、実際の問題文で確認してみます。
例)子どもが演技を褒められる事で、更に頑張って良い演技をする様になる

これをさっきのかけ算式にあてはめると、
好子演技を褒められる(+)」 × 刺激「褒める(+)」= 頻度「良い演技をする(+)
×  という式が成立しています。

例)未装着警報音を止めるために、シートベルトをする様になった

嫌子警告音(-)」で、結果、シートベルトの「頻度」が増えた強化(+)」であれば、真ん中の「刺激」はしか存在しないんです。

警告音」×「  」=シートベルトの頻度上昇「強化」
「 ? 」の刺激が(+)か(-)か分からなくても
かけ算式を当てはめると、
  × (-)(+)
➡「刺激」は(-)でないと、かけ算が成立しません。

もう1つ見てみます。
例)騒いでいた子どもの玩具を取り上げたので、騒がなくなった

子どもにとって「玩具」は「好子」、結果は「騒がなくなった」騒ぐという頻度が減っています。
かけ算の式に当てはめると、
好子(+)× 刺激(?)= 頻度(-)
➡「刺激」は(-)でないとかけ算が成立しません
問題文で確認しても「取り上げた」とありますので(-)である事が分かり、負の弱化(罰)である事が分かりました。

ここまでの内容が理解できた方は、下記は飛ばして大丈夫です。

次はオペラント条件づけの基本的な説明です。

基礎的な考え方

「オペラント条件づけ」とは、報酬(刺激)などによって制御される、その後の学習行動を理論化したもので、スキナー.B.F.らによって定義づけられました。

例)子どもが演技を褒められる事で、更に頑張って良い演技をする様になる
子どもの発表会等で、先生や親が褒めると、子どもは頑張りますよね?それです。

これを、オペラント条件づけでは「正の強化」と言います。

「正」演技を褒められた➡もっと頑張る「行動が強化された」と理論づけされます。
 ※この時の「演技を褒める」事を「強化子」と言います。

オペラント条件づけ 基本4パターン

「正の強化」以外に、基本理論が4パターンあります。

パターン、好きな事が増やされた、その結果、頻度が増えた➡正の強化という
かけ算式(+)×(+)=(+)

パターン2、好きな事が減らされた、その結果、頻度が減った➡負の弱化(罰)という
かけ算式(+)×(-)=(-)

パターン3、嫌な事が増やされた、その結果、頻度が減った➡正の弱化(罰)という
かけ算式(-)×(+)=(-)

パターン4、嫌な事が減らされた、その結果、頻度が増えた➡負の強化という
かけ算式(-)×(-)=(+)

ここでのポイントは、あくまでも「学習理論」である事。
最初の「何もない状態」から、何かの刺激があり「直後」の行動の頻度がどうなったか
それを理論的に説明する事を「オペラント条件づけ」と言います。

「オペラント」とは英語の「オペレーター:操縦する人」からもじった造語で「オペラント」によって、その後の行動が制御できると、理論づけました。

オペラント条件づけ 8パターン

では、オペラント条件づけにおける「刺激」と「刺激の与え方」「頻度の変化」について、考えられる理論パターンを表にしてみました。全部で8パターンあるのですが「✕」の4パターンについては理論上成立せず、問題を解く際に混乱してしまう原因となってます

オペラント条件づけ、非現実的4パターン!

では、理論上では発生しない4パターンについて説明してみます
下記の4パターンは、刺激と行動が矛盾しているので理論上は存在しません

好子出現し、頻度が減る
例)子どもが褒められると嬉しくて、勉強をしなくなる→✕
(+)×(+)=(-)

好子消失し、頻度が増える
例)子どものゲーム機を取り上げたので、もっとゲーム機で遊ぶ様になる→✕
(+)×(-)=(+)

嫌子出現し、頻度が増える
例)つまみ食いを怒られたので、良くつまみ食いをする様になる→✕
(-)×(+)=(+)

嫌子消失し、頻度が減る
例)薬を飲むと頭痛が治まったので、薬を飲まなくなる→✕
(-)×(-)=(-)

これらの4パターンは、無理やりはめ込むと存在するかも知れませんが、基本的な道理上(理論上)では考えにくい行動の結果となります。

好子の出現 = 正の強化

好きな事が出現する事で、行動の頻度が増える
(+)×(+)=(+)
ご褒美をもらうのが嬉しくて、勉強を頑張る様になった
②手伝いをしてお小遣いもらった(嬉しかった)ので、手伝いをする様になった
③手に前足を乗せる度にあげていたらお手をする様になった
④犬が飛びついて来たので褒めていると、顔を見るとすぐに飛びつく様になった

嫌子の消失 = 負の強化

嫌な事が無くなると、行動の頻度が増える
(-)×(-)=(+)
①薬を飲むと頭痛治ったので、薬を飲む様になった。
②開けると嫌な臭い無くなるので、すぐに蓋をする様になった
③未装着警報音止めるためにシートベルトをする様になった

嫌子の出現 = 正の弱化(罰)

嫌な事が出現すると、行動の頻度が減る
(-)×(+)=(-)
裸足でアスファルトの上を歩く痛いので、歩くのを止めた。
②おやつを盗み食いしたら怒られたので、盗み食いをやめた。
③藪から蛇が出て怖かったので、それから藪は歩かない様にした。
④正直にしたら馬鹿を見る結果になったので、真面目にする事をやめた
⑤飛びつく犬を叱っていたら飛びつかなくなった。

好子の消失→負の弱化(罰)

好きな事が無くなると、行動の頻度が減る
(+)×(-)=(-)
①騒いでいた子どもの玩具取り上げたので、騒がなくなった。
遊んでいた犬無視をする様にしたら、寄ってこなくなった。
おやつ無くなってしまうので、遅くまで遊ぶのをやめた。
④危険運転をした者の運転免許停止する事で、危険運転がなくなった。

第30回 問題9

次の記述のうち、オペラント条件づけにおける正の強化の事例として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 いたずらをしている子どものゲーム機を取り上げたら、いたずらをやめた。
2 宿題をやってくるたびに褒めていたら、宿題を忘れずやってくるようになった。
3 授業中、勝手に話をしていた生徒を叱ったら、私語がなくなった。
4 好きな曲が流れているテレビCMの商品に好感を持つようになった。
5 デイサービスで嫌な思いをした高齢者が、デイサービスを休むようになった。

カリスマ先生の解答

1 いたずらをしている子どものゲーム機を取り上げたら、いたずらをやめた。
これは「負の罰」です。つまりゲーム機を取り上げる(刺激を除去=負)→いたずらをやめる(行動が減少=罰)

2 宿題をやってくるたびに褒めていたら、宿題を忘れずやってくるようになった。
これが正解です。「正の強化

3 授業中、勝手に話をしていた生徒を叱ったら、私語がなくなった。
これは「正の罰」です。つまり生徒を叱る(刺激を与える=正)→私語が無くなる(行動が減少=罰)

4 好きな曲が流れているテレビCMの商品に好感を持つようになった。
これは自発的な行動ではなく無意識のものなのでレスポンデント条件付けです。

5 デイサービスで嫌な思いをした高齢者が、デイサービスを休むようになった。
これは「正の罰」です。
嫌な思いをする(刺激を与える=正)→デイサービスを休む(行動が減少=罰)

解説

1,まず、最後の結果から見ましょう。「いたずらを止めた」とありますから「罰・弱化」である事は明確です。「罰・弱化」の計算式は、①正✕負=負、②負✕正=負のどちらかしかありません。で、前文には「取り上げた」とあるので、負の行為による結果とわかります。なので【負の弱化】になります。
2,◯ こちらも最後の結果から「宿題をしてくる頻度が上がった」のですから「強化」の行動である事がわかります。強化の計算式は①正✕正=正、もしくは②負✕負=正、しか存在しません。すぐ前の文面で「褒めていたら」と正の刺激を加えてるので、正✕正=正【正の強化】である事がわかりました。
3,こちらも結果から判断します。「私語がなくなった」との事で、弱化になります。弱化の計算式は、①正✕負=負、負✕正=負、のどちらかです。「叱る」行為は刺激を与えますから正。であれば、負✕正=負の【正の弱化】の例にあたる事がわかります。
4,オペラント条件づけではない事は分かりますが何でしょう・・・
5,デイサービスを休む様になった訳ですから、弱化(罰)にあたる問題で、①負✕正=負、②正✕負=負、どちらかです。嫌な思いをするは、嫌子の出現と言い、正✕負=負で【正の罰・弱化】となります。

第34回 問題8

次の記述のうち、レスポンデント(古典的)条件づけの事例として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1,デイサービスの体験利用をしたら思ったよりも楽しかったので、継続的に利用するようになった。
2,自動車を運転しているときに事故に遭ってから、自動車に乗ろうとすると不安な気持ちを強く感じるようになった。
3,試験前に時間をかけて勉強することで高得点が取れたので、次の試験前にも勉強に時間をかけるようになった。
4,おもちゃを乱暴に扱っていた子どもに注意をしたら、優しく扱うようになった。
5,工事が始まって大きな音に驚いたが、しばらく経つうちに慣れて気にならなくなった。

解説

1,思ったより楽しかった=正の強化子、✕(?)、利用頻度が増す、【正の強化
2,◯レスポンデント条件づけ
3,高得点が取れた=正の強化子、✕(?)、勉強の頻度が増加、【正の強化
4,乱暴に遊ぶ子ども=正、注意する=負の強化子、荒く扱う頻度が下がる【正の弱化
5,これは何かな?少なくてもレスポデント動機づけではないな

第36回 問題2

次の記述のうち、オペラント条件づけの事例として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1,電車に乗っているときに事故にあってしまい、それ以降電車に乗るのが怖くなってしまった。
2,以前に食べたときに体調が悪くなった食品を見ただけで、気分が悪くなってしまった。
3,犬にベルの音を聞かせながら食事を与えていると、ベルの音だけで唾液が分泌するようになった。
4,人に迷惑をかけるいたずらをした子どもを叱ったら、その行動をしなくなった。
5,病院で受けた注射で痛い経験をした子どもが、予防接種のときに医師の白衣を見ただけで怖くなって泣き出した。

解説

1,レスポンデント条件づけ
2,レスポンデント条件づけ
3,レスポンデント条件づけ
4,◯子どもを叱る=嫌子の出現、行動の頻度が下がる=弱化、【負の弱化
5,レスポンデント条件づけと言う程でも無い様な・・・

精神第16回 問題89

レスポンデント(古典的)条件づけとオペラント(道具的)条件づけに関する次の記述のうち正しいものを1つ選びなさい。

1,レモンを心の中でイメージしていると, 次第に唾液が出てきた。これはオペラント条件づけである。
2,池のコイにエサを毎日与えていたら, 池に近づいていくとコイが素早く寄ってくるようになった。これはレスポンデント条件づけである。
3,イヌが前足を出そうとしたときに, その行動をほめていたら, 「お手」をするようになった。これはオペラント条件づけである。
4,プラナリアという原始的生物に, 光を当てた後に電気ショックを与えていた。すると光を当てるだけで収縮するようになった。これはオペラント条件づけである。
5,ボタンをつつくとエサの出る装置にハトを入れたら, ボタンを盛んにつつくようになった。これはレスポンデント条件づけである。

解説

1,レスポンデント条件づけ
2,オペラント条件づけの【正の強化】の例
3,◯ オペラント条件づけの【正の強化】の例
4,これは、ただの反射だろうか・・・
5,オペラント条件づけの【正の強化】の例

第29回 管理栄養士国家試験 問106 

刺激-反応理論に関する記述である。勤労者の食行動におけるオペラント条件づけとして、正しいのはどれか。1つ選べ。

1,職場の自動販売機を見て、つい缶コーヒーを買った。
2,同僚のおかわりにつられて、ご飯のおかわりをした。
3,仕事のストレスがたまり、食べ過ぎた。
4,上司のダイエットがきっかけになり、ダイエットを始めた。
5,なかなか体重が減らないので、ダイエットをやめた。

解説

勤労者の食に対する行動についての問題。なかなか面白い。

1,これは、習慣的な行動かと。
2,これは何、同調反応?・・・
3,ストレスと行動のコーピングに関する内容かな?ストレス解消型コーピングっぽい。
4,外発的動機づけの内容。
5,○ 「ダイエットをやめる」は頻度としては「罰(弱化)」にあたり、「体重が減らない」は「体重が増える」という「嫌子」が継続しているので、刺激の「出現」か「消失」かで言うと「嫌子の出現」となります。正の罰(弱化)の例となります。

第30回 管理栄養士国家試験 問98 

児童の野菜摂取に関する行動の記述である。オペラント条件づけに当てはまるものとして、正しいのはどれか。2つ選べ。

1,先生に「 野菜を食べましょう 」と言われたので、食べた。
2,野菜を食べたら先生に褒められたので、次も食べた。
3,運動後おなかが空いたので、野菜も食べた。
4,友達が野菜を残したので、自分も食べなかった。
5,野菜を食べたがおいしくなかったので、食べなくなった。

解説

1,これは「学習理論」だけど、上下関係などの外発的要因が大きいかと。
2,○ まさに「正の強化」の例。「褒められた」事で「頻度が上がる」、典型的な例。
3,これはマズローの欲求階層?生理的欲求を満たしただけかな。
4,これは子供に多く見られる同調行動っぽい。
5,○ これも典型的な「嫌子の出現」で「正の罰(弱化)」の例。

最後まで読んで頂いて感謝致します。社福の受験で問題が理解できず困っておられる方がいらっしゃれば、メールでも良いのでお知らせ下さい。

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