11/10 社会的行為論の記事を追加しました。

リーダーシップ論

受験に役立つ勉強

組織運営には、しっかりとしたリーダーシップをとれるリーダーは不可欠です。ここではリーダーシップ特性理論(特性論)、リーダーシップ行動理論(行動論)、そして状況適合理論についてしっかり区別して押さえてください。by カリスマ先生

リーダーシップ論では、何かトリガーになるかで、これまでにも出題が多いです。下記のトリガーは良く出題されているので覚える様にしてください。(青下線は静的機能赤下線は動的機能
PM理論…「メンテナンス機能」と「パフォーマンス機能
マネジアルグリッド論…「人への関心度」と「業績への関心度
コンティージェンシー理論…「人間関係志向型」と「タスク志向型
パス・ゴール理論…「経路(パス)」と「目的(ゴール)
SL理論…「部下の成熟度」によって変わるリーダー
変革型リーダーシップ…「大きな改革が必要な時」に業績を上げる
カリスマ型リーダーシップ変革者の裁量による主導
フォロアーシップ理論…「批判的思考」と「積極的関与

1900~1940年代 「特性理論」

特性論は、優れたリーダーの資質や特性を見出そうとする理論です。しかし優れたリーダーの特性が見出せずに行き詰ってしまいます。

1940~1960 年代 「行動理論」

特性論の次に出てきた行動論は、普遍的有効性のある優れたリーダーの行動を見出す理論です。特性論によって優れたリーダーの特性を見出そうとしても叶わず、行動に着目したのです。

1,PM 理論
三隅二不二(みすみじゅうじ)が提唱したリーダーシップ行動論です。
P もM も高いリーダーが優れたリーダーとなり、PM 型が最も良いということになります(大文字
と小文字で4つの領域を示しています)。Performanceという単語からは推測しにくいですが、課題達成のことです。MはMaintainanceで対人維持行動。
ゴロPM理論の「M」は「隅二不二」の「み」と覚える。
三隅二不二のPM異論では、「P」人間関係も「M」課題達成力のどちらも高いリーダーが優れたリーダー像と定義しました。

2,マネジリアルグリッド論
こちらも PM 理論のように縦軸に「人への関心度」、横軸に「業績への関心度」をとり、縦横そ
れぞれ1~9までの数値で、(1.1)であれば人への関心度も業績への関心度も最低、(9.9)であれ
ば人と業績の関心度が最高で最も良いリーダー
の行動となります。

1960~1980 年代 状況適合理論(条件適合理論)

行動論の次に出てきたのが状況適合理論です。行動論では優れたリーダーは PM 型が良いとか、(9.9)型が良いとか明確に決まっていましたが、状況適合理論では、優れたリーダーの行動は状況によって変わると考えます。以下に示す状況適合理論の例は全て覚えましょう。

1,コンティンジェンシー理論(フィードラー理論)

フィードラー(Fiedler, F.)はリーダーの特性を「タスク志向型」と「人間関係志向型」に分類し、以下の図にあるような様々な状況によってどちらの志向型が良いか示しています。

リーダーとメンバー間の関係が良い時は、リーダーの権限やタスクの内容に左右されず「タスク志向型」のリーダーが業績を上げると定義しています。逆に、リーダーとメンバーの関係が悪い場合は、リーダーの権限によって業績は変化するとされ、リーダーの権限が強い場合は人間関係重視、リーダーの権限が弱い場合はタスク志向型が向いていると定義されました

2,パスゴール理論
パスゴール理論は、ブルームらの期待理論に基づき、魅力的なゴール(目標)に至るパス(経路)を示すことがリーダーの役割であると、ロバート・ハウス(House,R.)が提唱しました。

3,SL 理論
SL とはSituational Readership の略で、1977 年にハーシー(Hersey,P.)とブランチャード(Blanchard,K.H.)が提唱した条件適合理論です。以下のようにシチュエーション(部下の成熟度)によって変わるリーダーシップと考えます。

部下の成熟度が低い場合は、リーダーは「支持」ではなく「指示」に重点を置くことで業績は上がるが、部下の成熟度が高い場合は、ある程度は部下の主体性を活かし関わりも少ない方が業績に繋がると定義しました。

1970 年代~コンセプト理論

1970年以降、多様なビジネス環境が発展し、これまでの単純な理論では説明できない状況が起こりました。その為、状況適合理論を元に集団やビジネス環境に応じて起こる様々なパターンでのリーダーシップのとり方を研究したもので、環境や状況ごとに様々な理論が提唱されました

1,変革型リーダーシップ

変革型リーダーシップは、変化の大きい市場環境に対応するための理論で、企業や組織が経営危機などに瀕し、大きな改革が必要な時などに有効とされました。日産やパナソニック、シャープが過去に経営危機に瀕した状況ではこの変革型リーダーシップによってV 字回復した例です。組織内に危機感を醸成し、ビジョンを構成、早い段階で小さな成功を収める事などが流れになります。

2,カリスマ型リーダーシップ

カリスマ型リーダーシップは、Apple 社の元CEOのスティーブ・ジョブズ氏なんかが典型です。ただしカリスマ経営者への依存度が大きくなると、後継者が育たなかったりするデメリットが出てきます。ウェーバーの提唱した3種類の支配システムを思い出してください。
①伝統的支配②カリスマ的支配(カリスマ的リーダーシップ)③合法的支配
いつの時代でもカリスマ的要素を持ったリーダーの周りには、人が集まり、潮流を変え、高い業績を起こす変革力が見られます。人間の欲望なのでしょうね・・・。

3,ファシリテーション型リーダーシップ
メンバーの自発的な行動を尊重し、業務意欲や成長を促すような行動をとるリーダーシップです。

4,サーバント型リーダーシップ
サーバント型リーダーシップは、リーダーがメンバーの業務をサポートします。サーバントは召使いという意味です。

5,フォロワーシップ理論
フォロワーシップには、リーダーの意思決定や行動に誤りがあると感じた場合に批判や提言を行う批判的思考(クリティカルシンキング)、チームがより良い方向に進むようメンバーに働きかける積極的関与があります。リーダーによる意思決定をフォロワーが実行したり批判したりというように、リーダーシップとフォロワーシップは車の両輪で相互に補完し合っています。

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