オペラント条件づけのまとめ記事②です。これで、オペラント条件づけの勉強は卒業しましょう。その為にまとめた記事になります。この記事を読む前に「誰も教えてくれない、オペラント条件づけ」の記事を読んで頂きます様にお願いします。
基本の原則(これだけ覚えて)
正の強化
「宿題をやってくるたびに褒めていたら、宿題を忘れずやってくるようになった」という問題。
「刺激(強化子)」×「刺激の与え方」=「頻度の変化」という計算式のルールにあてはめ、まずは「頻度の変化」から見ていきます。
問題文中「忘れずやってくるようになった」とある為、頻度としては増えているので「強化」に当たります。
強化の計算式としては、以下のどちらか。
①「好子」×「出現」=「強化」
(+) × (+) = (+)
②「嫌子」×「消失」=「強化」
(-) × (-) = (+)
次にどの様な刺激があったか?を確認すると「褒めていたら」とありますので、刺激としては「刺激が加えられた」すなわち「出現」と判断され、
①「好子」×「出現」=「強化」
(+) × (+) = (+)
「正の強化」である事が分かりました。
負の罰(弱化)
「いたずらをしている子どものゲーム機を取り上げたら、いたずらをやめた」という問題。
「刺激(強化子)」×「刺激の与え方」=「頻度の変化」という計算式のルールにあてはめると、「いたずらをやめた」は「罰(弱化)」の例にあたる為、
①「好子」×「消失」=「弱化(罰)」
(+) × (-) = (-)
②「嫌子」×「出現」=「弱化(罰)」
(-) × (+) = (-)
の、いずれかの計算式に該当します。
次に「どの様な刺激があったか」を見てみると「ゲーム機を取り上げた」とあるので、刺激が取り除かれた「消失」したと分かり、計算式では、
①「好子」×「消失」=「弱化(罰)」
(+) × (-) = (-)
「負の罰(弱化)」の例である事が導き出されました。
正の罰(弱化)
「授業中、勝手に話をしていた生徒を叱ったら、私語がなくなった」という問題。
計算式上のルールにより「私語がなくなった」は「罰(弱化)」の例にあたります。
①「好子」×「消失」=「弱化(罰)」
(+) × (-) = (-)
②「嫌子」×「出現」=「弱化(罰)」
(-) × (+) = (-)
次に刺激について見ると「生徒を叱ったら」とあります。「叱る」自体はマイナスのイメージがあって混乱してしまうのですが、「消失」か「出現」かと言えば「出現」になります。ここは間違い易いポイントですので気を付けて下さい。
②「嫌子」×「出現」=「弱化(罰)」
(-) × (+) = (-)
「正の罰(弱化)」となります。
負の強化
「未装着警報音を止めるためにシートベルトをする様になった」
計算式上のルールにより「シートベルトをする様になった」は頻度が増えた、つまり「強化」の例にあたります。
強化の計算式としては、以下のどちらか。
①「好子」×「出現」=「強化」
(+) × (+) = (+)
②「嫌子」×「消失」=「強化」
(-) × (-) = (+)
次にどの様な刺激があったか?を確認すると「未装着警報音を止める=警告音が止まる」とありますので、刺激としては「刺激が無くなった」すなわち「消失」であり、
②「嫌子」×「消失」=「強化」
(-) × (-) = (+)
「負の強化」となります。
最後の《まとめ》
「オペラント条件付づけ」の総論を最終的にまとめると以下となります。
これは、既にカリスマ先生のブログ記事にある結論です。
① 好子の出現 ➡ 正の強化
(+) × (+) = (+)
② 好子の消失 ➡ 正の罰
(+) × (-) = (-)
③ 嫌子の出現 ➡ 負の罰
(-) × (+) = (-)
④ 嫌子の消失 ➡ 負の強化
(-) × (-) = (+)
この理論は、人間の欲求と行動の絶対的な関係を理論づけています。
① 好きな刺激が与えられると、人は意欲が増してもっとしたくなります。
② 好きな刺激が無くなると、人は意欲が減退します。
③ 嫌な刺激が加わると、やる気が低下します。
④ 嫌な刺激が取り除かれると、またやってみようと意欲があがります。
逆に言うと・・・
※一時的な反応であって、慢性的な弊害を除きます。
① 好きな刺激が与えられて、頻度が下がる事は無いのです。
(+) × (+) = (-)← ✕
② 好きな刺激が無くなる事で、頻度が上がるハズが無いのです。
(+) × (-) = (+)← ✕
③ 嫌な刺激を与えられて、頻度が増える事は無いのです。
(-) × (+) = (+)← ✕
※ 稀にその様な刺激を必要とする方はいますが・・・
④ 嫌な刺激が取り除かれた事で、頻度が下がるのは考えにくい。
(-) × (-) = (-)← ✕
考えてみれば、当然の結果と思いますが、理論づけると難しくなりますね。
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