ここではまず、「行動」と「行為」の違いについて理解し、ウェーバーの提唱した4つの「社会的行為」について学びましょう。ハバーマス、パーソンズ、ゴッフマン、ブルデューについてはキーワードだけでも覚えてください。by カリスマ先生
最強本 共通P-479
1,行動と行為の違い
「行動」:観察可能な振る舞い部分
「行為」:主観的な意味を含ませている人間の行動
例えば、電車の中で、座席に座っている男性が、すっと立ってドアの付近まで移動しました。これって単に見てるだけなら「行動」で良いですよね?
では、その直ぐ後に、軽くお辞儀しながら、女性が空いた座席に座りました。
そしたら、見てた人はどう思いますか?何か理由があって男性は席を立った?と考えませんか?
ここで言う理由とは、=意図です。意図を持った人間の行動です。
これを社会学研究者が「行為」と名付けて「単なる行動ではない!」と、意図を推測してパターン化して説明しようとしました。それが、マックスウェーバー等の~的行為などです。
また「弱者に席を譲らない愚か者は死に匹敵する」と宗教信者で思っていたとしたら、それは価値合理的行為と分類できた、という感じです。
一方で、その他の意味のある行為として、次の駅に着いたら、男性がそのドアから一番に階段上がり、隣のホームに着いたところに、ちょうど乗り換えの電車が来て、得意げに電車に乗りました。
これは目的合理的行為にあたり、その行動にはスムーズに乗り換えを選択する「合理的目的」があったと分かります。
2,ウェーバーの社会的行為
ウェーバーは、4 種類の社会的行為を提言しました。
【価値合理的行為】価値そのものに倫理的な意味や、信仰がある行為。
【目的合理的行為】目的達成の為、条件や手段の合理的性を判断基準にする行為。
【伝統的行為】日常的習慣や、これまでの伝統による行為。
【感情的行為】感情や気分によって行われる行為。
ここで、ついでにマックスウェーバーの「支配の3類型」も覚えます。
ゴロ➡「ゴールデン・カリスマ」
(勝手にカリスマ君を加工してすみません。)
最強本 共通P-483
2-1,ウェーバーの支配類型
【合法的支配】正当な手続きにより制定された法に従う支配。
【伝統的支配】昔からの伝統、信仰、信念に基づく支配。
【カリスマ的支配】人物の資質「カリスマ性」による支配。
3,ハバーマスの社会的行為
ハバーマス(Habermas, J.)
【戦略的行為】効率性を求める管理的行為
【コミュニケーション的行為】言語を媒介とした、相互了解や合意形成をとして行われる相互行為。
4,パーソンズの主意主義的行為論
パーソンズ(Parsons,T.)は、客観的要因だけでなく行為者の意思という主観的要因を重視する理論的アプローチを行いました。これを主意主義的行為論といいます。
5,ゴッフマンの演劇的行為論
ゴッフマン(Goffman, E.)のドラマツルギー
周囲の人から期待される役割を演じる立ち振る舞いを演劇に見立てました。
パフォーマンス…周囲の人間に対して期待される役割を演じる事
パフォーマー…演技を演じている本人。
オーディエンス…その周囲の人間。
ドラマツルギー…役割期待に沿った行動を演技に見立てたもの。
例えば、母親が子どもに「良い子」であるという役割期待があったとして、子どもはその役割期待に沿った行動をとった時、子どもがパフォーマー(演技者)、その周囲の人間がオーディエンス(観客)になるわけです。このようなパフォーマンスやオーディエンスの関係はあらゆる場面で見られ、相互行為が行われています。
6,ブルデューのハビトゥス論
ハビトゥス…知覚・思考・行為など、経験から得た考え方の方向性
ブルデュー(Bourdieu, P.)は、そもそも目的や手段が自然発生するわけではなく、過去の経験の蓄積から生まれると考えました。つまり人は経験の蓄積によって日常生活の認知、評価、行為をしているというわけです。
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