38回試験に向けてサイト内再編成中!

新カリにおける出題傾向

受験に役立つ勉強

1,今後出題される問題の傾向

その1)様々な配属部署で対応できる知識
その2)SWの価値規範や倫理観
その3)実践で求められる解釈力や判断力
    タクソノミーⅡ型、Ⅲ型が中心
その4)毛色の違う問題について
その5)5肢択2の問題が増えた

上記の傾向を、R4.1公表の「社会福祉士国家試験の今後の在り方について」からの提言として、今後の出題傾向と第37回試験と対比するなどし、必要な部分を抜粋し下記にまとめました。
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提言その1)社会福祉士は、様々な分野に就労する可能性があることから、いかなる分野においても必要不可欠な基本的な知識及び技術等について出題するべきである。
➡これは、第37回試験でも事例問題として出題されていて、今後もこの様な事例問題は必ず出ると思われます。いわゆる「もしも貴方が配属されたら・・・」という問題です。

【例】問題88 A社員(社会福祉士)は、B社の総務部門に在籍し、企業内での相談支援を担当している。事例を読んで、AによるCさんへの介護休業制度に関する助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。
➡ある会社の総務部門に配属になった社会福祉士の相談支援能力を評価する問題です。

【例】問題90 事例を読んで、地域包括支援センターのA社会福祉士が、Bさんとともに利用を検討するサービスのうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
➡これは地域包括支援センターに配属になった社会福祉士の事例検討に関する能力評価問題です。

37回「もし貴方が担当だったら?問題」ですが、なんと幅広い部署が想定され出題されているのでしょうか。今後、どの様な対策をしたら良いか?は、もう少し事例の理解を深める必要がありそうです。
・問38 障害者支援施設の生活支援員
・問49 市社協の職員(社会福祉士)
・問51 重層的…支援事業所轄の市職員
・問57 大学の学生支援センター職員
・問67 市生保担当 査察指導員
・問72 病院の医療ソーシャルワーカー
・問73 若年性認知症支援コーディネーター
・問74 地域包括支援センター職員
・問77 地域活動支援センター職員
・問78 相談支援専門員の主任支援員
・問81 市こども家庭センター職員
・問88 企業総務部門 相談支援担当
・問89 老健施設の支援相談員
・問93 市・子育て支援課の職員
・問97 福祉事務所の現業員
・問101 生活困窮者…事業の担当
・問118 ケアマネによる事例検討会
・問124 NPO法人の役員
特に午後の問題には医療ソーシャルワーカーや、市社協、包括、福祉事務所などの問題が多く出題されました。それ以外にも、施設などの支援員や相談支援事業者などの専門職も出題されています。
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提言その2)ソーシャルワークの価値規範や倫理観に関する理解は、社会福祉士が多様な機能を担うソーシャルワーク専門職として実践を行う際の基盤となるものであることから、引き続き国家試験において出題するとともに、その出題方法の充実に努めるべきである。
➡これは、ソーシャルワークの基盤となりうる専門的理解や知識に関する評価です。

【例】問題64 次の記述のうち、社会福祉士及び介護福祉士法において社会福祉士が務めなければならないと規定されていることとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
➡基本中の基本「士士法」からの出題です。

【例】問題65 「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」(2014年)におけるソーシャルワークの知(Knowledge)に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。
➡こちらも基本の問題。

【例】問題115 バイスティック(Biestek,F.)による援助関係の原則に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。
➡こちらもソーシャルワークの原理や原則の基本的な理解の問題です。
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提言その3)複雑化・複合化した問題や地域の課題に対応できるよう、単純な知識の想起によって解答できる問題は減らし、知識の応用として、実践現場で求められる解釈力や判断力を評価できる事例問題などの出題を増やすべきである。
➡ここで出てくるのが「タクソノミー(分類の階層構造)」という考え方で、「Ⅰ型~Ⅲ型」まであり、今後出題する問題は、Ⅱ型、もしくはⅢ型を中心に出題する、とあります。
【Ⅰ型】①設問を読む→②知識があれば即解答
【Ⅱ型】①事例を読む→②状況を理解する→③選択肢から選ぶ
【Ⅲ型】①事例を読む→②状況を理解する→③選択肢の意味を解釈する→④事例と照らし合わせて判断する→⑤選択肢を決定する(選択肢と事例文を行き来して解答する

【Ⅰ型の例】問題5 肺炎に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1,市中肺炎の起因菌は肺炎球菌が最も多い。
2,誤嚥性肺炎は若年者に多い。
3,口腔ケアによって増悪する。
4,経皮的酸素飽和濃度(SPO2)が上昇する。
5,肺炎の診断には発熱が必須である。

【Ⅱ型の例】問題6 事例を読んで、Aさんに最も適切な入院形態を1つ選びなさい。
【事例】B市に住むAさん(21歳)は、大学4年生で就職活動中であったが、なかなかうまくいかず、次第に抑うつ気分、意欲の低下、思考静止、不安、不眠を呈するようになった。同居する両親(両親ともに50歳で共働き)とともに、精神科のクリニックを受診し、うつ病の診断となり治療開始となった。しかし、自宅では生活が乱れ、家に閉じこもりがちになり、定期的な受診や薬物治療が困難な状況になった。自傷行為や家族に対する他害行為はみられないが、なかなか抑うつ症状は改善を認めなかった為、主治医が入院加療の必要性があると判断した。主治医が本人及び両親に入院加療の必要性を説明したところ、本人は入院加療を希望した。その後、紹介状を持参のうえで、入院病床を有する精神科病院に受診した。
1,医療保護入院
2,措置入院
3,緊急措置入院
4,任意入院
5,応急入院

【Ⅲ型の例】問題114 事例を読んで、A医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)のBさんへのアドボカシーを意図した最初の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
【事例】脳卒中で4か月入院しているBさん(83歳)は、現在は本人の意思を確認することが困難である。看取りの場を検討するにあたり、妻は可能な限り一緒にすごしたいため、自宅退院を希望している。しかし、医師や看護師は、心臓に持病を持つ妻の自宅での介護は大変ではないかと妻に伝えた。その後、妻は看取りの場について相談するために、医療相談室に来室した。Aは、Bさんが病気で入院する前に、看取りの場についてBさんと妻で話し合ったことがあるという話を聞いていた。
1,妻に対して、自宅退院の向けて利用可能な介護サービスについて説明する。
2,医師や看護師が心配する介護負担と妻の病状について、妻の考えを確認する。
3,妻の希望は自宅退院であることを、Aさんから医師と看護師に再度伝える。
4,妻に対して、Bさんはどこで最期を迎えたいと言っておられましたかと尋ねる。
5,妻に対して、看取りの場としての緩和ケア病棟の機能について説明する。
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提言その4)受験された方は感じたと思いますが、明らかに「毛色の違う問題」が出題され、戸惑った方も多かったと思います。普通に考えたらわかる問題でも、選択肢が妙で選べない問題や、更に高度に理解する能力を伴う問題などがありました。

【例その1】問題42 事例を読んで、成年後見の開始がAさんに及ぼす影響に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
【事例】Aさん(30歳)は、交通事故の被害に起因する高次脳機能障害で判断力が著しく低下し生活が困難となったので、親族はBさんが成年後見開始の審判の申立てをすることとなった。Aさんは、この審判によって自分にどのような影響が及ぶのかを心配している。
1,Aさんは当然に国政の選挙権を失うこととなる。
2,Aさんは当然に公務員になることができなくなる。
3,Aさんは当然に社会福祉法人の理事になることができなくなる。
4,Aさんは当然に株式会社の役員になることができなくなる。
5,上記1から4までの記述はいずれも不適切である。
➡選択肢1~4が間違っているのでは?と思っても、あえて5の様な選択肢があると「引っ掛け問題では?」と勘ぐってしまって、選べなくなってしまう
   
【例その2】問題81 A市こども家庭センターでは、担当圏域の地域住民を対象に、児童虐待の発生予防に向けた活動への協力意向について多肢選択法による質問紙調査を実施することにした。その際、用いる質問文として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1,「あなたは、児童虐待を防止するための活動や、児童虐待があった家庭を支援するための活動に協力したいと思いますか。あてはまるものを1つを選択してください
2,「児童虐待を予防するためには地域で協力することが必要不可欠ですが、あなたは、地域での見守り活動に協力したいと思いますか。あてはまるものを1つを選択してください
3,「あなたは、ネグレクトされている児童の早期発見に向けて、地域でのアセスメント活動に協力したいと思いますか。あてはまるものを1つを選択してください
4,「あなたは、児童虐待の予防に向けた小学校での取組に協力したいと思いますか。あてはまるものを1つを選択してください
5,「あなたは、虐待を受けた児童の心理面を支える活動に、地域のニートが協力することについて、どのようにお考えですか。あてはまるもの1つを選択してください
➡まず、問題の主訴を理解するのに時間がかかってしまいますね。今後は時間のかかりそうな問題が出た場合は、仮の選択肢に☑し、次の問題へ進み、見直しの時間に戻って再度読み込むという作業が必要になります。

【例その3】問題59 事例を読んで、次のうち、この手続きを表す名称として、最も適切なものを1つ選びなさい。
【事例】Aさん(30歳)は、自動車の大幅な速度超過により、道路交通法違反の罪で検挙された。Aさんの事件は、簡易裁判所が、検察官の請求に基づき、命令により100万円以下の罰金または科料を科することができる手続きで処理されることになった。この手続きがとられるに当たって、Aさんは、被害者として異議がないことをしめしていた。
1,起訴猶予
2,微罪処分
3,簡易送致手続き
4,交通反則通告制度
5,略式手続
➡試験後にかなり多方面で話題になった1問。社会福祉士の問題に、道路交通法違反者の処分についての問題が出題され話題になりました。この問題の意図としては「起訴」「起訴猶予」「不起訴」「略式起訴」についての違いを出題したかったのだと思いますが、ちょっとハードルが高い様に感じます。
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その5)36回試験では、5肢択2の問題が20問出題されてました。今回の37回では、5肢択2の問題がかなり出題されていたと感じましたが、実際はどうだったのか?を確認しました。
午前の問題 15問/84問中
午後の問題 17問/45問中
なんと、32問も出題されています。これは一見、簡単になった?と勘違いしますが、選択肢がかなり難しく、正解を2問選ぶのに苦慮します。実際は設問に対する、更に詳しい理解が必要になります。

2,事例問題の時間的対策

何と言っても、37回では多くの受験者が「時間が足りない」と感じたと思います。その理由の一つとして、事例問題の数が急に増えた事で時間配分が狂ってしまったからと思われます。事例問題とは「事例を読んで~」で始まる長文問題のことです。では実際、どれぐらい増えたか?を下に記載してみました。

事例問題の出題割合
◆第36回 全体(24%)
【午前】17問/83問中(20%)
【午後】19問/67問中(28%)
◆第37回 全体(36%)
【午前】24問/84問中(29%)
【午後】23問/45問中51%

事例2分通常1.5分で回答すると
【午前】140分(残2分)
【午後】85分(残6分)
見直しの時間が取れずカツカツ。 
 
結論としては、事例問題は2分程度通常問題については1分15秒程度で解く必要があります。

3,事例問題の読解力を強化

実際の受験中「焦ってしまって問題が頭に入って来ない」という状態に陥ってしまえば、事例問題では最高のパフォーマンスが発揮できません。事例問題が多く出題される社会福祉士受験には、事例問題の理解は必要不可欠な能力です。
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1)焦らない為に
最初に、何故、焦るのか?を自身で理解する必要があります。焦る原因としては人それぞれで、個人差がある為、自分がどの様な事で焦るのか?を理解し「焦らない為の訓練」が必要です。試験直前の模試はあまりお勧めできませんが、早めに模試をこなしてみて、問題に慣れる事は必要と思いました

【例1】時間が足りない
➡上の解説の時間的対策を読んで、時間配分をある程度設定する事でスムーズに解答が進み、見直しの時間が取れるようになります。逆に1問の解答に時間をかけ過ぎる事は、全体的なパフォーマンスの低下につながりますので、要注意です。問題を解釈するのに時間を要する問題は、思い切ってスルーする勇気が必要となります。

【例2】知らない単語がある
➡知らないキーワードが1つでもあると、文章の理解度はかなり低下します。これは、事例問題に限らず一般の問題でも同じ子事ですので、必要なキーワードを広く理解するという知識を、日頃からつける事で回避するしかありません。学習中に知らない単語が出てきたら、必ず調べるという癖をつけて下さい。その為には、字引的に使える参考書が必要です。私は中央法規のレビューブックを辞書がわりにして使用していました。

【例3】そもそも文章が苦手
➡文章問題が得意な方は少ないとは思いますが、文章問題が嫌いな方は要注意です。先に述べた様に、37回試験では、事例問題が36%の確率で出題されました。これは全129問のうちの46点分に相当します。これはかなりなウェイトです。ここはもう根性論で、沢山の事例問題を繰り返し学習するしかないかと思われます。何かいい方法が見つかれば、情報提供しますね。
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2)深読みし過ぎない
現場経験の多い方ほど、間違い易い問題があります。それは、実際の現場を知っているからこそ、陥りやすい罠的選択肢です。恐らく、現場経験がない学生さんなどは得意になるかもしれません。深読みし過ぎて、先々の対応を想定しない事が大切です。

【例】問題38 事例を読んで、障害者福祉施設従事者等による障害者虐待への対応に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。
【事例】A県B市に所在するC障害者支援施設に勤務するD生活支援員は、同僚のE生活支援員が知的障害のある利用者Fさん対して、著しい暴言を投げかけている場面を目撃した。
1,Dは、Fさんの同意の有無にかかわらずB市に通報する。
2,Dは、施設長の許可を得てからB市に通報する
3,B市は、知的障害者福祉法に基づき立入調査を実施する。
4,B市は、Dからの通報であることを施設に伝える。
5,B市はA県に、C施設での障害者虐待に関する事項を報告する。
➡ここでは、選択肢2がそれにあたります。現場経験のある人は、その後のトラブルを最低限に抑える知識が先に立ち「まずは施設長に報告しなければ!」と考えると思います。それが罠となります。正解は1と5になります。

4,SWの基本的問題は徹底的に

提言その6R4.1公表の「社会福祉士国家試験の今後の在り方について」からの提言その6として『ソーシャルワーク専門職として必要となる基本的な問題や重要な問題については、出題内容や選択肢の見直しを適切に行い、繰り返し出題する仕組みを導入することが望ましい』とあります。ここで言う、基本的な問題や重要な問題とは何か?
カリスマ生であれば、オンラインスクールや動画等で学習する内容で対応できますが、選択肢のレベルはかなり高いので、しっかりと深く理解しておく必要があります。

第37回試験問題と教科別対応表

第37回の問題が、実際、どの試験科目から出題されたのか?を確認してみました。今後の試験対策に利用できそうです。
共通問題
1,医学概論
2,心理学と心理的支援
3,社会学と社会的システム
4,社会福祉の原理と政策
5,社会保障
6,権利擁護を支える法制度
7,地域福祉と包括的支援体制
8,障害者福祉
9,刑事司法と福祉
10,SW(ソーシャルワーク)の基盤と専門職
11,SWの倫理と方法
12,社会福祉調査の基礎
専門問題
13,高齢者福祉
14,児童・家庭福祉
15,貧困に対する支援
16,保健医療と福祉
17,SWの基盤と専門職(専門)
18,SWの理論と方法(専門)
19,福祉サービスの組織と経営
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