13,高齢者福祉

高齢者制度の歴史
【問題】1973年に制定された、70歳以上の医療費無料化制度は、約10年間続き、老人保健法の制定と共に廃止された。 ⭕or✖?
【解説】1973年(福祉元年)の制度改正では、70歳以上の医療費が無償化されました。結果、高齢者が病院や診療所に集まり、病院が高齢者のサロンみたいな状態になりました。 同時に、高齢者の医療費が急上昇し財政を圧迫する事になった為、政府は、1982年に老人保健法を制定し、無償化制度は廃止されました。ちなみに、老人保健法は1982年に制定、1983年に施行されています。答え 〇
【問題】1994年に高齢化率が14%超えた我が国の高齢者の人口は、その後も増え続け、現行の高齢者福祉制度では対応出来なくなり、1997年に高齢者福祉を社会全体が支える仕組みである、介護保険制度が創設された。 ⭕or✖?
【解説】1970年の高齢化率は7%(高齢化社会),1994年は14%(高齢社会),2007年には21%(超高齢社会)に達しました。 そこで政府は1994年に既に施行されていたドイツの介護保険制度を見習い日本版の介護保険制度を1997年に成立させ、2000年に施行されました。答え 〇
【問題】2008 年に成立した「高齢者の医療の確保に関する法律」では、増え続ける高齢者の医療費に対し、老人保健法を全面改正し、75歳以上の高齢者が別立ての医療制度に加入する仕組みなどの抜本的な改正が行われた。 ⭕or✖?
【解説】2008年に成立した「高齢者の医療の確保に関する法律」では、75歳以上の高齢者のみが、別建ての「後期高齢者医療制度」に加入する仕組みを作る事によって、医療費の安定化を図りました。しかし、実際は、後期高齢者の医療費は5割が国庫負担、4割は現役世代からの負担金(支援金)で賄われており、現役世代が負担する仕組みとなっています。答え 〇
【問題】1990年における「老人福祉法等の一部を改正する法律」(いわゆる、福祉八法改正法)の施行により、これまで都道府県が一括して行っていた、老人、身体、知的の各制度における入所措置権限が、市町村へ権限移譲された。 ⭕or✖
【解説】福祉八法改正により、入所措置権限が移譲されたのは、老人と身体障害者のみで、知的障害者の入所措置権限は、2003年の支援費制度の施行によって都道府県から、市町村に移譲されました。答え ✕
【問題】老人福祉法が成立した背景として、1950年以降の高度経済成長期の流れに乗って、人口が地方から都市部に流出。核家族化が進んだことによって、認知症や高齢者介護に対する社会的関心の高まり、高齢化が急速に進んだことで社会保障費が財政を圧迫した事などが上げられる。 ⭕or✖?
【解説】この文章は、老人福祉法制定の背景ではなく、介護保険制度が成立した背景の内容で「核家族化が進み、認知症や高齢者介護に対する社会的関心の高まり」とは、まさに超高齢社会を目前にした福祉政策の必要性を説いた内容です。答え ✕
【問題】1989年に策定された「高齢者保健福祉推進十カ年戦略(ゴールドプラン)」では、在宅福祉事業が積極的に進められる様、数値目標を示すとともに、同計画を円滑に推進するため、1990年に老人福祉法等が改正された。 ⭕or✖?
【解説】1989年策定のゴールドプランでは、以後10年間の高齢者福祉の対策に関する数値目標が掲げられ、1990年の「福祉八法改正」において数値目標を円滑に進める目的で老人福祉法が改正されました。答え 〇
【問題】高齢者保健福祉推進十か年戦略(ゴールドプラン)の中で、老人保健福祉計画の策定が各地方自治体に義務づけられた。 ⭕or✖?
【解説】老人保健福祉計画とは、老人保健計画と、老人福祉計画をセットにした呼び方で、1990年の「老人福祉法等を一部改正する法律」(福祉八法改正)時に、都道府県と市町村に義務づけられました。一方、ゴールドプランは1989年に成立し、前後関係が間違いでした。答え ✕
【問題】1982年に施行された老人保健法は、2008年3月に廃止され、4月1日より「高齢者の医療の確保に関する法律」と名称が改正された。 ⭕or✖?
【解説】老人医療費の無償化(福祉元年)等を改善する為、1982年に施行された老人保健法は、2008年に後期高齢者医療制度の設立によって廃止され「高齢者の医療の確保に関する法律」へと、名称が変わりました。答え 〇
高齢者の所得
【問題】年金の支給額決定については、これまで当時の物価や、賃金、消費などの状況により、賃金スライドや物価スライドなどが導入されて来たが、現在は、均衡水準方式によるスライド制が導入されている。 ⭕or✖?
【解説】均衡水準方式とは、生活保護の支給決定に利用されている基準値で、一般の低所得者と比べて、支給が上回らない様に基準額を定める制度で、年金においては、現在、マクロ経済スライド制が導入されています。答え ✕
【問題】1973年の「福祉元年」に実施した福祉政策に関する内容の一つに、被用者保険における家族療養制度が初めて導入された。 ⭕or✖?
【解説】家族療養費制度は、家族から扶養されている被扶養者(子供や高齢者など)が医療機関に受診した際、医療費の7割や9割を保険料から給付する制度で、国民皆年金・皆保険が施行された1961年から実施されました。ただし当時の適用範囲は狭く、5割程度で、後々見直される事になりました。答え ✕
【問題】1973年の「福祉元年」に実施した福祉政策に関する内容の一つに、年金の水準を調整する為に、給付基礎日額を賃金水準の変動に応じて改定する制度である、物価スライド制を導入した。 ⭕or✖?
【解説】物価スライドは、1973年の福祉元年に適用されましたが、問題の内容では説明が物価スライドの内容ではなく、賃金スライドの説明になってます。 物価スライドの理解は、当時の物価の変動に合わせて調整する仕組みです。答え ✕